ここ最近だいぶ暖かいというか、むしろ暑いくらいになりましたが、気持ちの良い季節になりました。そろそろ熱中症対策などの記事を目にする機会もあり、季節の変化を改めて実感します。

さて今日は診察終了後、イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)という薬の新発売記念講演会に参加してきました。この薬は心房細動という不整脈による心原性脳梗塞を予防するためのお薬です。心原性脳梗塞は年々増加しており、突然大きな梗塞が発症し、麻痺(まひ)などによる介護が必要な状態になったりや死亡に至たりする率の高い脳梗塞です。この心原性脳梗塞は予防が大切で、最も多い原因は心房細動と言う不整脈で、アスピリンといわれる血液をサラサラにする薬では効果が十分とはいえず、ワーファリンと言う血液が固まりにくくするする薬で血栓を予防することが必要でした。しかしワーファリンは血液検査で頻回に薬の効果が十分かを確認する必要があったり、納豆が食べられないなど食事やその他の薬との相互作用も多かったりの不便な点も多く見られました。

そこで昨年プラザキサ(一般名:ダビガトラン)という新しい血栓を予防する薬が発売され、また今回イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)という薬が発売されることとなり、患者さんの選択肢も広がりました。プラザキサとイグザレルトは作用機序と言って、血栓ができにくくのに働く場所が異なり、まったく別の薬剤です。ここでは詳しい作用機序については省略しますが、前述のワーファリンのような血液検査は不要で、納豆も食べられるなど共通した利点もありますが、2剤とも薬価がワーファリンに比べかなり高価となるなど良いことばかりとは言えません。とは言え、心原性脳梗塞を予防するために薬剤選択の幅が広がるのは患者さんにとっては良いことであり、その方にあったお薬を提案していきたいと思います。心房細動をお持ちの方は、お気軽にご相談下さい。(院長)